日本ならではの漢字文化で作られたステキな四字熟語
更新日:2021-03-27 17:55:35 98907
日本語で定番の、漢字が連なって作られる熟語。
その中で、四文字並んで語呂もよく、かっこよく見える四字熟語の数々をご紹介。
紫電一閃【しでんいっせん】
事態の急激な変化の形容。研ぎ澄まされた剣をひと振りするとき、一瞬ひらめく鋭い光の意から。「紫電」は研ぎ澄まされた剣をひと振りするときにひらめく鋭い光。「一閃」は一瞬のひらめき。さっとひらめくこと。
天衣無縫【てんいむほう】
無邪気で飾り気のない様子。
詩歌に飾り気がなく、しかも美しいこと。
天女の衣には縫い目がないという伝説から。『霊怪録』郭翰。
不撓不屈【ふとうふくつ】
強い意志を持ち、どんな困難にも負けず、くじけない様。
同様の意味で「不屈不撓(ふくつふとう)」とも。
疾風怒濤【しっぷうどとう】
疾風怒濤とは「激しく吹く風と激しく荒れ狂う波」「時代や社会が激しく変化すること」という意味を持つ四字熟語となっています。
疾風の意味は「強く激しい風」怒涛の意味は「荒れ狂い逆巻く波」となっており、この二つの組み合わで成り立っています。
抜山蓋世【ばつざんがいせい】
山を引き抜き、世界を覆いつくすほどの力という意味。中国古典「史記」で、項羽の辞世の句、「力、山を抜き、気は世を蓋う」という言葉から来ています。
廓然大公【かくぜんたいこう】
心が何のわだかまりもなくからっと広く、少しの偏りもないこと。君子が学ぶべき聖人の心をいう語。また、聖人の心を学ぶ者の心構えをいう語。
「廓然」は心がからりと広いさま。「大公」は大いに公平で私心のないこと。「大」は「太」とも書く。
風光明媚【ふうこうめいび】
自然の眺めが清らかで美しいこと。また、そのさま。
「風光」は自然の眺め・景色。「明媚」は清らかで美しいさま。
不倶戴天【ふぐたいてん】
対峙する相手の存在自体を決して許せず、生かしておくことができないほど強い憎悪や遺恨、またはそのような仲という意味の四字熟語。
「不倶」は「一緒にできない」「戴天」は「同じ空の下に存在する」という意味。
「あの男は俺にとって不倶戴天の敵だ」のように使う。
嘯風弄月【しょうふうろうげつ】
自然の風景に親しみ、風流を好んで楽しむことを表す四字熟語です。
【風に嘯(うそぶ)き月を弄(もてあそ)ぶ】と訓読みされます。
風林火山【ふうりんかざん】
風林火山(ふうりんかざん)は、甲斐の戦国大名・武田信玄の旗指物(軍旗)に記されたとされている「疾如風、徐如林、侵掠如火、不動如山」(疾(はや)きこと風の如く、徐(しず)かなること林の如く、侵掠(しんりゃく)すること火の如く、動かざること山の如し)の通称である。
「疾如風、徐如林、侵掠如火、不動如山」の句は、『孫子』・軍争篇第七で、軍隊の進退について書いた部分にある文章を、部分的に引用したものである。すなわち、
「故其疾如風、其徐如林、侵掠如火、難知如陰、不動如山、動如雷霆。」
(故に其の疾きこと風の如く、其の徐(しず)かなること林の如く、侵掠(しんりゃく)すること火の如く、知りがたきこと陰の如く、動かざること山の如く、動くこと雷霆(らいてい)の如し)
からの引用である。
参考
日本ならではの熟語