家畜など連続窃盗事件 逮捕のベトナム人グループが買い手募るSNS投稿削除か
更新日:2020-10-27 23:16:51 1559
県警によると、県内では9月末までに豚や牛、ニワトリが相次いで盗まれているほか、ブドウやナシといった果物の被害も続いており、被害額は計約2700万円に上っている。近接する埼玉、栃木、茨城の3県などでも被害が確認されており、家畜などを狙った連続窃盗事件として各警察が捜査している。
北関東で豚や牛などの家畜が相次いで盗まれた事件に絡み、群馬県警は26日、ベトナム人グループの拠点とみられる住宅2棟を捜索し、同国籍の男女13人を逮捕した。
現場は住宅が点在する田園地帯で、近所の住民に驚きと困惑が広がった。
県警はこの日午前6時から、東京出入国在留管理局の応援を受け、約180人態勢で家宅捜索。
住宅にはベトナム国籍の男女19人がおり、このうち13人を入管法違反(不法残留)などの容疑で逮捕し、床下や冷蔵庫にあった30羽の鶏肉などを押収した。
近隣に住む男性(70)は「ゴミの分別について注意しようと家を訪ねたところ、ニワトリの血抜きをしていてびっくりした。(容疑者らが)急いで鶏の頭を隠していた」と困惑した表情を浮かべた。
この住宅2棟の家主の男性(73)によると、2年前それぞれの住宅にベトナム人が1人ずつ入居。
半年ほど前から複数人が出入りするようになり、住宅前の駐車場がいっぱいになるほどだったという。同じ住宅を以前もベトナム人に貸しており、「前の住人は豚を解体していたが、今回はそういった様子はなかった。昼間から酒を飲んで騒ぎ、働いている様子はなかった」と話した。【菊池陽南子】
価格や量書き買い手を募集 報道後に証拠隠滅図ったか
入管難民法違反で逮捕されたのは、太田市新田上中町、自称カラオケ店経営のベトナム国籍の男(39)ら20~30代の男女13人。このうち10人は2016~19年にかけて、技能実習生として来日していた。
捜査関係者によると、グループの一部はSNSに豚の解体の様子や果物の写真を投稿、価格や量を示して買い手を募っていた。居住場所を示す情報も盛り込まれていたという。豚の盗難被害が発覚し、新聞やテレビで大きく報道された今夏以降、投稿はいずれも削除されていた。
県警はこのグループの一部が8月中旬以降、太田市内の配送センターから肉や果物を配送していたことを確認しており、容疑者の男2人の名前が書かれた複数の伝票も押収してる。
受取人はベトナム人が多く、県内や埼玉県などの関東地方が大半を占めていた。また、26日に行われた家宅捜索で、冷凍した鶏肉以外にも、肉を加工する機械や細かく分けられた複数の肉が見つかっていた。入手先などを詳しく調べている。
県警は複数のグループが転売目的で家畜などの窃盗を繰り返し、SNSなどで購入者を募っていた可能性が高いとみて、入手先や販売ルートなどを調べるとともに、事件の全容解明を急いでいる。
県警は27日、容疑者ら13人を入管難民法違反容疑で前橋地検に送検した。
ネットではこんな声が
家畜窃盗関与か 群馬県警、外国人の拠点捜索 近所の住民「ニワトリの血抜きしていた」