素朴でおいしい島根県のうずめ飯
更新日:2021-08-17 21:28:47 99684
うずめ飯(うずめめし)は島根県西部(石見地方)の山間部で食べられている郷土料理である。「うづめめし」と表記する事があるが、どちらが正しいかは定かではない。
一見、出汁をかけてわさびをそえたお茶漬けのように見えるが、ごはんの下には小さく刻んだタイや野菜が隠れている。この食べ方の起源については、質素倹約を強いられた江戸時代に贅沢しているのを悟られないため、具材が粗末で他人に見られるのが恥ずかしかったためといった理由が挙げられる他、提供する時や食べる時は伏し目がちにするといった習わしも伝わっている。山口県にも同様の料理があり、仏教信仰にともない伝承されたともいわれており、はじめは動物性の食材は使っていなかったとする見方もある。
鍋で野菜を炒め、あぶった鯛の出汁と水を加えて、すまし汁よりもすこし濃いめの醤油味で煮こむ。野菜が柔らかくなるまで煮あがった具をどんぶりに盛り、おろしわさびを敷いたら上からごはんを乗せて食べる。この料理はわさびが決め手になっており、水がきれいな山間で栽培された香り高いわさびを使うのが良しとされる。
食べるときは、鍋の出汁をかけてお茶漬け風にして食べる。あっさりと素朴な味わいのごはんに、わさびが良いアクセントを加えてくれる。食べ進めていくうちにごはんから具材が出てきて、彩りが増していく。どんな具材が入っているのか楽しむのも「うずめ飯」の醍醐味である。


参考
島根名物うずめ飯